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養育里親のおはなし

養育里親のおはなし
【養育里親】
Rさんご夫婦(夫:Tさん 50代  妻:Aさん 40代) 
※2023年9月現在の年齢

本当に子どもって面白い

実子三姉妹の子育てをされ、現在は養育里親して小さなお子さんの受け入れているTさんご夫婦。障がいのある三女のMさんを含め3人の実子さんは、現在も仲良くTさんご夫婦と暮らしています。里母Aさんに、委託時の様子やTさんご家族についてお話を伺いました。

まずはご家族についてお伺いしてもよろしいでしょうか。

はい。実子は三姉妹で、20代の長女はおっとり穏やかですね。マイペースで、でもやることはきちんとやってくれます。
高校生の次女もどちらかと言えばマイペースかな?でも長女よりは行動派ですね。
そして中学生の三女は障がいを持っていて、話すことが難しく人見知りもするのですが、とても穏やかな性格で今はYouTubeにはまっています。生活面では歩くことは少し不安定なのですが手引きをすれば、森林公園の中も悠々と上手に歩いちゃいますね。食事はある程度自分で食べられます。長女と次女が三女のことをとても可愛がってくれるので姉妹仲良く楽しそうに過ごしていますね。
あとパパもいます(笑)

そのご家族の中にお子さんを迎え入れられているのですね。

そうなんです、だからとても賑やかですよ。
我が家は小さいお子さんを迎え入れているのですが、普段仕事で不在のパパも、帰って来てからとか休みの日もたくさん遊んでくれています。娘たちも遊び相手になってくれるし、叱るときも「ダメなものはダメだよ」って、ちゃんとその都度何がいけないのかを教えてくれていて、三女も上手に伝えることはできないけど、されて嫌なことはしっかりと意思表示していますね。
私が勤めていたころは不規則の勤務だったこともあって、パパが子どもたちをよく公園に連れて行ったり、家族でキャンプもしました。今でも本当によく一緒に出掛けたりしますね。もしかしたら趣味を娘たちと一緒に楽しんでいる感じなのかもしれない(笑)
今まで委託で家に来た子たちは短期だったので、幼稚園には通わずにずっと家にいる過ごし方だったのですが、近くに遊具がある公園が無いんですよ。それでドライブがてらちょっと遠出してあちこち公園に行っていたら、パパが家にブランコを作ってくれました。最初の委託の子が公園でのブランコを気に入って「ブランコ、ブランコ」って言っていたら、すぐに作ってくれましたね。
庭のデッキもパパが作ったのですが、そこでBBQもしたりしてます。
今は委託のお子さんが居ないので連絡を待っている状態ですが、パパも「まだ連絡ないの?」 って、家族で待っている雰囲気ですね。

どうして里親になろうと思われたのでしょうか。

実は別の県で妹が先に里親を始めていて、それをきっかけにこういう制度があるというのを身近に聞いていました。私自身子どもが好きなので、そういう制度の中でまた子育て出来たら楽しいだろうなと思っていて、いよいよ子育てがひと段落したところで、私の好きなことができるならそれがいいかも!って里親制度に繋がったんですよね。
実子たちの子育ては大変なことも、まあ、色々とそれなりにあったけど、振り返ってみると楽しかったかな。あんまり細かいことは忘れちゃった(笑)
もう日々の成長そのものが楽しくて。こんなことができるようになったんだ!あんなこともできるようになったの!?って驚きも嬉しい。日常生活もそうですけど、保育園での発表会ですごく可愛い姿とか、小学生になったらどんどん一人でできるようになることは増えて、中学生になったら大人に近づいてきて、懸命に部活をやっている姿とか。そんな小さな、普通ことが嬉しくて楽しかったですね。
今、我が家は小さいお子さんを短期でお預かりすることが多いのですが、そんな短い期間でも子どもたちの成長や変化はしっかりあって、本当に楽しいですし、面白いです。

里親になろうと決めて、最初はどのようなアクションをされましたか。

児童相談所に連絡しました。
里親になる条件なども分からなかったので、まずは話を聞いてみようと思って。主人と話して決めましたね。当時はコロナ禍の影響で色んな事が中止になっていて、研修・実習と進んでいくのにとても時間が掛かりましたけど、無事登録できてホッとしました。
施設実習は主人も私も緊張はありましたが、実際に子どもたちの顔を見たらそんな気持ちはどこへやらって感じでしたね(笑)
主人も実際施設に行ったことで実感を得たみたいで、「あ、やってもいいな」って具体的に思ったみたいなんですよね。

実子さんたちの反応はどうだったのでしょうか。

娘たちに話をしたら長女も次女も賛成だったんですよ。娘たちも学校の職業体験で保育園を選ぶぐらい子どもが好きで、長女は保育士だったこともあって「いいじゃん!」って言ってくれました。研修も終わってないうちから「いつ来るの?」っていう様子でしたね。
三女は何となく「小さくていつもと違う子」が居るっていうのは分かっていると思います。委託の子が来たときは、可愛くて近くに行ってギュってしたいんですけど、力加減が難しいので委託されたお子さんの方に「大好きだから近くに行っちゃうけど、ギュってされるのが嫌な時は離れてね」って伝えたり、こちらも配慮しながら見守っています。
でも普段はタブレットを他の人に触られるのを嫌がるのに、それを譲る場面もあって三女なりに理解しているんだなって感じました。

お子さんを迎えるにあたって年齢のイメージなどはありましたか。

実子たちもいるので我が家は最初から、養育里親の希望でした。お子さんのイメージとしては、できれば小さい子でしたね。三女の介助のこともあるので、長期の委託のお子さんであればできれば女の子の方がいいのかなってイメージしていますが、短期であれば男女どちらでも構いませんと児童相談所に伝えてあります。
これまでは女の子の委託なので、男の子が来たらどうなるんだろうって楽しみでもあります。

実際に委託のお子さんを迎えた時はどのような気持ちでしたか。

「あ、本当に里親になったんだな」と思いました。登録して直ぐに委託があったのですが、その子もすぐに馴染んでくれたので自分の中では特別な感じもなくスタートしましたね。ただビックリしたのは、その子の発言の中に今までの生活のことがポロっと出る。初めてのことでちょっと驚いてしまう場面もあって、うーん…苦しくなるというか。
試し行動は、今思い返せば「なんかある、あったな」って感じなんですけど、その試し行動よりも、その子の背景に驚く事が多かったですね。だから家では安心して楽しく過ごしてくれたらいいなっていう思いで過ごしていて、あとは児童相談所に繋げるよう心がけています。

生活が落ちついたから話せるようになることもありますよね。
他に何か印象に残っている出来事はありますか。

子どもたちは何するのも本当に可愛くて。 最初に来た子はお歌をよく歌ってくれたんですけど、その歌詞が微妙に違っているのがおかしくて可愛くって。そういう些細なことがとても楽しかったですね。
色んな事に対して経験の少ない子もいて、いっぱいお喋りができるのに数字は全く苦手だったり。でも、その子からすると我が家での経験は「全て発見!」みたいな感じでしたね。「これ何?あれ何?」って1つずつを吸収している感じで、お姉ちゃんたちのやってることも気になって「それってなんなの!?」みたいに日々学んでいく様子でした。
だからやったことなさそうなこと、例えばご飯作りで一緒にハンバーグこねてみるとか、クッキーを作ってみるとか、そういうことをたくさんやりましたね。お家で過ごしていたらきっと普通に見たり体験するようなことを、“敢えてやってみる”っていうのを意識して、こちらも楽しみながら過ごしていました。

日常の中で学ぶことはとても多いですよね。
それでも同じ年齢の子と成長が離れていると、つい「大丈夫かな」と心配になってしまいそうですが…

その気持ちも無いわけではありませんでしたが、数字については壁に1から20の表を貼ってお風呂で数えてみたりしました。結局その子は我が家にいる間に10まで数えられるようになりました。「とりあえずそこまで数えられれば、かくれんぼできるからいいよ!」っていう感じですかね。
だから、本当に子どもって面白いですね。1人ずつ違ってね。

養育をされている中で、心がけていることはあるのでしょうか。

できるだけ我が家の中で普通に。色んなお家があるけど縁があって我が家に来てくれて。だから、いつもお家でやるように家の普通を、 日常を、本当に普通に過ごしてもらえればいいのかなって。
その中でパパに関わり、お姉ちゃんたちに関わり、三女にも関わり、そうするとそれだけでもとりあえず5人は関わるので、その中で、言いたいことを言ったりして、安心して穏やかに過ごしてくれたらいいかな。そう思っています。
その他の関わりとして、委託後に里親サポート支援で家に来てもらっていたりしたので、里親さん同士が繋がってるっていうのがとても安心になりました。LINEグループも作ってもらって、その中から2、3人の方が、月に1回ずつぐらい様子を見に来てくれていたので、そこで色々と相談できたりするので、とてもありがたかったですね。
今はまだないですけど、今後何かの時にすぐ相談できる体制があるのはとても頼もしくて、些細なことでも聞きやすい雰囲気はとてもありがたいなって感じています。

ありがとうございました。
最後にメッセージをお願いいたします。

子ども成長は本当に楽しく、一緒に生活する中でも発見がたくさんあります。できないことを「こうしなくっちゃ」って思わないで、 そのままを受け入れる方が上手く行く。後はとにかく自分も楽しむ感じでできればいいなって思っているので、関心がある方は、是非一歩踏み出してみて下さい。

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