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養育里親のおはなし

養育里親のおはなし
【養子縁組里親】
Uさんご夫婦(夫:Aさん 40代  妻:Eさん 40代)
H君 6歳
※2023年2月現在の年齢

協力者はたくさんいる!!

不妊治療が始まらないまま終了したと話すUさんご夫婦。
どのような心境で里親登録をし、そしてH君と出会ったのか。
これまでの子育てを振り返っていただきながらH君との生活の様子やこれからの楽しみについてお話を伺いました。

まずは里親になられたきっかけを教えてください。

夫:
はい。結婚してすぐに私の男性不妊が発覚したことがきっかけです。ですので不妊治療も始まらないまま終了したような感じでしたね。何とか別の方法が無いのかなって色々頑張ったのですが、やっぱりそもそもの可能性がないっていうのが分かりました。
なのでそれが分かった直後から「じゃあどんな選択肢が取れるのかな」っていうことを妻と二人で話していく中に、里親という選択もあるんじゃないかと至りました。
妻は以前から里親制度について知っていたので、私の男性不妊が分かった翌月ぐらいにはもう里親についての説明会には参加していました。この頃はまだ、もしかしたら医療的な措置で妊娠の可能性があるかもしれないって思っていたのですが、最終的にやっぱり妊娠は無理ということが分かり、それが分かった日に、そのままその足で児童相談所に行ってお話を聞きました。
妻:
そうだったね(笑) 結婚したのが30歳を過ぎていたので、もしかしたら年齢的にも出産が大変かもしれないと思っていて、不妊治療するにしても期限を決めてやろうとした矢先に治療することなく終わってしまったんです。
里親制度については独身の頃から知っていたのですが、夫と話が具体的になってからは図書館に置いてあった里親制度についてのDVDを借りました。
夫:
三件ぐらい実体験のエピソードがあって「なるほど」って具体的にイメージできましたね。

その後里親登録をされ、H君と出会うのですね。

妻:
児童相談所から紹介の連絡をいただいたときH君は2歳4ヵ月。交流を重ねて4ヵ月後には一緒に暮らし始めました。交流中、楽しかったな。
夫:
大変でもあったよね。
妻:
うん、大変だった(笑) 交流は週1、2回私だけで会いに行って、週末は主人と二人で行くペースでした。
夫:
こちらから会いに行っていたのが、暫くたってからは家に来ての交流になりました。最初は何泊か一緒に過ごして、最後は1カ月丸々一緒に生活するようなかたちですね。
妻:
うん。思い返すと大変だったね。初めての子育てだから目の前のことに一生懸命で、ふと何でこんな些細なことで疲れているんだろうって思うこともあったり。
夫:
私よりも妻の方が接している時間は長いので、やっぱり色々と大変だったと思います。試し行動なんだろうなっていうのもたくさんあって、でもそう考えると今ずいぶん落ち着いたよね。
妻:
ね、本当に(笑)

H君はどんなお子さんですか。

妻:
素直で優しくて、可愛くて明るくて、とても友達の多い子です。
夫:
元気だよね。社交的な子ですね。人見知りをしないので、公園でも全然知らない子と遊んだりしてます。今ウルトラマンが好きで、幼稚園にウルトラマンごっこができる友人がたくさんいるみたいで、一緒に遊ぶのが楽しいみたいですね。
妻:
委託直後は私と常に一緒にいてご飯を作っている余裕がなかったのですが、今は一人で遊んでいる間にご飯の準備ができるようになって、成長を感じます。
夫:
里親同士のサロン会に参加してるときも、子どもたち同士で遊ばせて親は離れたところで集まるような場面があるのですが、母親が遠くに行っちゃうにも関わらず「僕はここで遊んでるからいいよー。早く行っちゃって!」みたいな感じで、抵抗がない様子でしたね。他の子は泣いたりしてるのに(笑)
妻:
委託直後は抱っこちゃん人形のようにくっついてたのに、離れられるようになったよね。

一緒に生活して、嬉しさを感じる場面はありますか。

夫:
できなかったことが、いつの間にかできるようになってくれていることはやっぱり嬉しいですね。トイレに行けるようになるとか、自転車に乗れるようになったとか。公園の雲梯に手も足もでなかったのが、ついこの前、最初から最後までいつの間にか全部できるようになっていたりとか。一つ一つ成長を見せてもらえるのがすごく嬉しいですね。 最近はオセロのやり方が分かるようになったり、ウノで遊べるようになったり、そういうものも一緒にできるようになっていて、私もすごく楽しいです。
妻:
私もやっぱり毎日の出来事ですね。私が料理したりしててもその辺で歌ったり踊ったりして、本当に可愛いんですよ(笑)
パパとママとボク
妻:
でもやっぱり大変なことはあります。そういう時は「私には協力者がたくさんいる!人の手を借りよう!」って思っています(笑) でも本当にそうなんです。主人や実家、先輩里親さん、乳児院のスタッフの方、児童相談所などなど、沢山相談をして話を聞いてもらっています。
夫:
里親会の集まりやネットワークはものすごく強固ですよね。「みんなで育てるんだ」っていう気概を感じていたのですが、いつの間にか私たちも輪に入れてもらっていました。時間問わず相談に乗ってくれたり、自分たちだけが子育てしているわけじゃないんだよって感じられますし、みんなで支えてくれるっていうのがすごくありがたいです。 研修など話を聞いたりさせてもらう場を大事にしていますが、このネットワークが無かったら子育てはできなかったんじゃないかなって思います。
里親でなければこういうサポートは受けられなかっただろうなっていう輪っかの中にいるなっていうのはすごい感じています。そこが本当に良かったというところですよね。

お休みの日はどのように過ごしているのでしょうか。

夫:
最近は寒くて頻度は減っているんですけど、公園に遊びに行くことが多いですね。外遊びをしたがるので、よく一緒に出掛けています。家の中でも、オセロできるようになったし、ウノもできるし、トランプで簡単な遊びもできるので、そういうことをしたりして遊んでます。
妻:
一人でも遊んでいて、その時は人形とかウルトラマンで遊んでますね。
3人で映画鑑賞もしたりします。コロナ禍もあってあまり遠出ができてないね。
夫:
そうだね。これからだよね。

この先楽しみにしていることはありますか。

妻:
H君が二十歳になったら一緒にお酒を飲みたいな。車の運転もしたいみたいで、免許取ったら「乗せてあげるよ」って言ってくれているので楽しみですね。
夫:
ショッピングモールの運転席がついてるカートとか小さいころから好きだったからね。初めて会った時も子ども用の車に乗って、シャーって外を滑走してたね(笑)
最近は近場のスーパーに行くにも自分の自転車で行きたがるので、自分で操縦するものが好きみたい。
妻:
そうですね。なのでいつかドライブ、H君の運転で行ける日が楽しみです。
夫:
私は、淡々と日々を一緒に成長するのを見せてもらいながら過ごせればいいなという風に思っています。本当はもう少し色んな景色を見せてあげたいなって想いはあるので、機会があれば旅ができればね。
私自身がよく家族旅行に連れていってもらっていたので、どれくらい自分の下の世代に返せるか分からないけど、できる限りしてあげたいなとは思っています。
妻:
自分がしてもらったことはやってあげたいですね。

H君にはどんな子になってほしいですか。

妻:
大人になったときに人に助けを求めることができるようになってほしいので「何か困ったことがあったら、お母さんでもお父さんでもお友達でも先生でもいいから助けを求めるんだよ。お母さんに言えないことなら他の人に助けを求めるんだよ」って伝えています。
あとは、間違ってもいいことを伝えています。家も学校も間違っていいところだから、私自身が何か間違えても正直に子どもに見せてます。
夫:
「ありがとう」と「ごめんなさい」をちゃんと言えるように、ですかね。まだまだ伝えているところではありますが普段から伝え続けていて、大事にして欲しいですね。
あと、仲間を大事にしなさいとは伝えています。
自分自身が仲間に助けられてここまで来ているので、支えがあって、周りがあって自分があるという考え方が定着してほしいなと思っています。
なので自分自身矛盾した言動にならないように気を付けて過ごしてます(笑)
実際にやってみると正直100%できないなって思い知らされるんですけど、でも気を付けて子どもが混乱しないように一本筋が通るように普段から気を付けてはいます。
極力良い見本でありたいなっていうのと、間違うときは間違うんだよっていう事すらも見本になったらいいかなって、そういう風に思ってます。
妻:
夫も小さい頃は親の言うことを聞いてなかったらしいので「お父さんもいう事聞いてなかったんだって」ってフォローはしてます(笑)
夫:
まだまだ途中だよね。この1回で伝わるとは思わず、根気よく。教えていたことっていつの間にかできるようになってた、やってくれるようになってた、という感じなので、その途中なんだろうって感じで接しています。

ご夫婦のやりとりに変化はありましたか?

夫:
変化ではないですが、やっぱりコミュニケーションは取るようにしています。自分の考えとは違う事や自分の知らない事とか聞かせて欲しいといつも思っていて、それを聞くと「ああ、なるほどね」ってなることもしばしばあって、ちゃんと話すのは大事だなって思っています。妻については…元々妻は頑張り屋さんで、なんでもしっかりやろうとしてくれるので、息子の幼稚園が始まってやることはかなり増えたはずなんですけど、それでも色々としっかりこなしてくれているので、頑張り屋さんという印象がさらに頑張り屋さんなんだなって印象になりましたね。
ボクのウルトラマン

ありがとうございます。
里親になることを考えられている方にメッセージをお願いします。

妻:
1つ知っておいて欲しいのは、協力してくれる人が沢山いるということ。悩んだとき絶対に一人で抱え込まないで周囲の人に相談してほしいと思いますし、できる環境です。
夫:
私の知人や会社の同僚も子どもがいなくて思い悩んでいる人もいるのですが、里親の門をたたくのはちょっとハードルが高くて行けない人が実は結構いるんじゃないかなって思います。でも、せめてそこにたどり着いて制度について知ってみて下さい。気軽な気持ちでアクセスしてみることをお勧めしたいなって思います。
そんなに重苦しくとらえず、一歩踏み入れたら引きずり込まれるものでもないですし(笑)
やっぱりその一歩から始まります。もっと早くに動けば良かったっていう人も沢山いると思うので、少しでも考えている人は気軽にまずは話だけでも聞いてみてほしいなって思います。

 

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