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里親へのインタビュー

里親へのインタビュー
【養子縁組里親】
Fさんご夫婦(夫:I夫さん 40代  妻:K美さん 40代)
Mちゃん 5歳 
※2022年10月現在の年齢

日々の小さな幸せを大切に

生後11カ月の女の子を迎えたFさんご夫婦。不妊治療をされていたときに、ある出会いから里親という選択をされました。
里親登録からMちゃんとの出会い、そして現在の生活の様子について、惜しみない愛情を表現されるK美さんにお話を伺いました。

Mちゃんはどんなお子さんでしょうか。

うちの子は好きとか嫌いの気持ちをはっきり表現してくれる活発な子です。幼稚園では男女問わずお友達とよく遊んで、帰って来てからも色々な話をしてくれます。

出会いはいつ頃だったのでしょうか。

Mちゃんが生後5ヶ月の時です。
私たちは元々0歳児を希望していたのですが、もし難しい場合は一歳半ぐらいまでの子どもを迎え入れられたら良いなと思っていました。
里親登録から約一年後に児童相談所から委託の話をいただき、翌月実際に会うことができました。
その後Mちゃんが生後11ヶ月の時に迎え入れてそれからずっと一緒にいます。
親バカになりますが、うちの子はすごく可愛くて仕方ありません。児童相談所の方から写真を見せていただいたとき「こんなかわいい子を私たちが育てさせてもらっていいんですか?!」って思いました。
初めての子育てに緊張もしていましたけど、嬉しさの方が上回っていましたね。私も夫も、早く一緒に暮らしたいって気持ちがとても強かったです。 食事の準備など慣れないこともあって大変でしたけど、とにかく嬉しい気持ちでいっぱいでした。

どうして里親になろうと思われたのでしょうか。

私たち夫婦は、自分たちに子どもができにくいというのを分かって結婚しました。なので結婚後に不妊治療をしていたのですが、やっぱりなかなかできませんでした。すごく悩んでいた時期に、不妊治療のオフ会に参加したのですが、そこで民間団体で養子縁組された親子さんに出会ったんです。その方の話を聞いていたら「あれ、養子縁組もいいかな」って思うようになりました。
しばらく不妊治療は継続していたんですけど並行して里親についての情報を集めて、イベントに参加したり少しずつ情報を調べていくうちに、「里親として子どもを迎えよう」と夫婦で気持ちが固まりました。

ご主人様はどのような様子でしたか。

主人も最初から前向きでした。それも一つの道かなっていう気持ちを持っていたのと、結婚するときに夫は「もし子どもができなくても、自分は養子をもらってでも子育てをしたい」と言っていて。なので最初から前向きで、夫婦の温度差はありませんでした。

そこからはどのような流れだったのでしょうか。

最初はすごく軽い気持ちで、たまたま家の近くにあった民間団体さんに行きました。話を聞いたら、里親登録をすることが必要だということが分かり夫婦で一緒に児童相談所に行って面談、その後座学と実習の研修に参加しました。
初めて児童相談所に行ってから約一年で登録になりました。最初は民間団体さんに申し込みたいと思って里親登録をしたという流れですね。

研修、実習に参加してみてどうでしたか。

専門的な用語、例えば「試し行動」とか聞いたこともない言葉を学んだりして、これから、自分たちとは違った価値観の中で育った子どもを育てていくというちょっと怖さのような緊張はありましたね。
でも実習で施設に行くと子どもはかわいいな、小さい子から育てたいなぁっていう気持ちは、夫婦ともに変わりませんでした。

登録から一年後に委託のお話があったとのことですが、そのときはどんなお気持ちでしたでしょうか。

待っている間はいつになったら委託があるのかなと思っていましたけど、出られる研修などには積極的に参加をしていました。未委託の里親向けにボランティアの案内も来たので、しばらく乳児院でボランティアもしていました。他の民間団体さんの話を聞きに行ったりした時期もあります。 もがいていたなぁと思いますが、待っているだけではなく自分たちにできることは動いていましたね。

そこにいよいよ打診のお話があったのですね。

ようやくきたー!って感じです(笑)もう、とにかく嬉しかったです。
仕事の昼休みに携帯を見たら児童相談所から着信があって、静かなところで「もしもし」って電話をしました。そうしたら5か月の女の子というお話がありまして、もう主人と直ぐに面談に行きましたね。
その後三か月ぐらい交流をして、だんだん慣れてきたら日帰り外出、外泊とステップアップしていきました。

手作りのおひなさま

実際一緒に生活してみてどうでしたか。

生後11ヶ月で一緒に暮らし始めたのですが、Mちゃんは夜も寝ちゃうと起きることなく、朝までぐっすりだったのでその辺りはスムーズでした。ただその後迎えた2歳~3歳のイヤイヤの時期がすごく大変でした。
近くの公園に三輪車で行きたいって言うので遊びに行ったんですけど、時間になっても「帰らない」って言って、でも三輪車も乗りたくないって言うんです。さぁどうしようって困り果てましたが、結局よちよち歩きのMちゃんを抱っこして片手で三輪車押して帰って来ました。
その時は本当に「誰か私に声かけて-!!」って助けて欲しいぐらいの気持ちでした(笑)
この時期は色々考えてしまって、自分自身も弱っていたなと思います。
ただ幼稚園に週1回プレ保育で通っていたので、その時はいい意味で離れることができて助けられました。
あとは支援センターにも遊びに行っていたので、そこでママさんたちとの会話が息抜きになりました。主人も話をよく聞いてくれて、Mちゃんの遊び相手をしてくれるときは私が一息できるタイミングでした。

一人で頑張ると行き詰ってしまいますよね。

そうなんです。 Mちゃんのトイトレーニングが上手くいかなくて悩んいでた時期もあったんです。今振り返ればもっと遅く始めればよかったんですけど…。その時は真剣に悩んでいたのですが、友人に話してみたら「うちもだよー」って言われて。そうやって言ってもらうと「あぁ、そっか」って気持ちが楽になりました。一人で悩むのではなくて、外を知る、外に出ていくっていうのは大事かなって思いましたね。
里親会のレクリエーションで公民館や川遊びにも行きました。里親さん同士でもいちご狩りとか芋ほりとか集まって交流しています。そういう集まりもあってホッとしています。

積極的に周りの人とのコミュニケーションを取られていたのですね。

今思うとイヤイヤの時期って本当に大変だったんですけど、幼稚園に通ってMちゃんより年下の小さい子を見ると「こんなに小さかったんだ」ってしみじみ感じます。
最近思うのは、あと何年この子と手を繋いて歩けるんだろうっていうこと。だから今のうちに抱っこしておこうとか、小学校行ったら手を繋いでくれなくなっちゃうのかなとか、色々考えたりしています。きっとあっという間ですよね。何歳まで手繋いでくれるんだろう(笑) 日々を大切に過ごしたいなと思っています。

些細な変化や成長も嬉しいですね。

日々の成長はやっぱり嬉しいです。最近はお手紙も書いてくれるんですよ。「パパ、ママ大好き」とか。一緒に描いてある絵がいつもニコニコしていて、そういう些細なことがとても嬉しいですね。出来なかったことができるようになったりもする成長も近くで見守れて、日々の小さな幸せに尽きます。
もう少し大きくなったらキャンプとか雪を見せてあげたいなとも思っています。
今後Mちゃんの好きなものが私たちと全く違ったとしても、Mちゃんから新たな世界を知る楽しみも増えますよね。
この子はどんな方向、どんな道を選んでくんだろうってとても楽しみです。

ご夫婦の変化は何かありましたか。

えーどうでしょう(笑)
当たり前ですけど二人きりでいるときよりもパパやママとしての部分が多くなりました。あと主人は元々心配性だったのにもっと心配性になりました(笑)
私は自分自身の余裕を大事にするようになりました。どうしても時間に余裕がないとこちらもイライラしてしまうので、どんなに眠くても家のことを「ここまではやってから」と済ませて寝たり。ちょっとしたコツで気持ちに余裕を持てるようにして過ごしています。

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最後にメッセージをお願いします。

子育てをしてみて分かったのは、子育てにはとにかく体力と気力が必要ということ。自分が一番若いのは今日。なので、迷っていたり悩んでいたりするぐらいであれば話だけでも聞きに行ってみるとか、まずは動いてみることが大切だと思います。
また、社会的養護の子どもたちを養育すること、これは大変さもあります。

大人の価値観で接するのではなく子どもたちの世界を、今の子どもたちの現状を、より理解しようとすること。そして子どもを通じて知ることも多くあります。
知るというのは大事なことですし、まずは制度について知ってほしいと思います。
私は里親になってMちゃんと出会うことができ、子育てを通して自分の生い立ちと向き合いながら親の世界も広がる、そんな楽しさももらいました。
ぜひ、第一歩を踏み出してみてください。

 

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