里親という愛の形~違う角度からでもこどもと関わり合える~
『季節里親』って、あまり聞いたことがないけど、『養育里親』と何が違うんだろう…?
そんなギモンはありませんか。そんなあなたにぜひ読んでいただきたい!
里親っていろんなカタチでこどもと関わり合えるんだ!って
心がポッと暖かくなるインタビューがこちら!
※季節里親…児童養護施設などで暮らす子どもたちが、一般家庭で短期間「家庭生活」を体験できる制度です。
この制度は、子どもたちにとって「家庭のぬくもり」や「日常的な暮らし」を経験する貴重な機会を提供することを目的としています。
―季節里親さんとお聞きしましたが、どのようにお子さんと関わっているのですか?
- 夫:
- 施設にいるお子さんと、月に1回程度交流しています。日帰りだったり、1泊~2泊だったり、その時によっていろいろです。日程はその都度決めます。
―今、何年生のお子さんですか
- 妻:
- 中学1年生女子です。
初めて会ったのは小学4年生の冬でした。それから毎月交流しています。
―どんなことをして過ごすのですか?
- 妻:
- 担当が決まっていて(笑)外遊びは主人担当です。
- 夫:
- 外で遊ぶのが好きな子なので庭でバドミントンをやったり、夏の日は水遊びを延々と…(笑)
- 妻:
- 家の中では、お菓子や簡単なお料理を作ったり、手芸、編み物、科学の実験とか…。
家庭菜園もやりましたね。大好きだというスイカを作って庭でスイカ割りしたり…。
今は中学生になったので1日中遊ぶというよりは新たな試みで、泊りの翌日午前中は少し勉強する時間を作るようにしました。中学生になったという自覚からなのか、Rちゃんのやる気スイッチが入ったみたいで、うちに着いた瞬間から勉強を始める時があるんです(笑)
―お2人が里親になろうと思ったきっかけを教えてください。
- 妻:
- どうしてもこどもを育てたかったからです。
私達は2人ともこどもが大好きで、こどもとの生活に憧れがありました。
我が家はこどもが走り回れる庭がある。こどもをのびのび育てられる環境があるので、里親という形で社会貢献がしたい!…という思いを私から主人に話しました。
- 夫:
- こどもがいると家の中が明るくなりますよね。だから私も妻の考えに大賛成でした。
―里親になることについて、ご親戚の反応はいかがでしたか
- 夫:
- 里親になることを実家に相談に行ったら、反対されるどころか、逆に「応援するよ」と言われました。Rちゃんを連れて行った時も、「みんなで見てあげよう」って言われました。
―里親を目指す中、里親登録の実習・研修で感じたことは?
- 夫:
- 児童養護施設の実習で小学校低学年男子が、私にすごく懐いてくれた姿に親の愛情はこどもにとって本当に必要なんだなって実感しました。
- 妻:
- こどもにとって自分だけを見てくれる特別な人がいるということは、こんなに嬉しいことなんだと感じました。
―登録してからは…
- 夫:
- 一時保護はずいぶん受けたね。
- 妻:
- もうひっきりなしで!一時保護だけで10何組! 3歳から高3まで!
―季節里親(家庭体験ボランティア)になろうと思ったきっかけは?
- 妻:
- 里親会のサロンに児童養護施設の里親支援専門相談員さんが来てくれた時、季節里親(家庭体験ボランティア)という、施設のお子さんと里親家庭との交流を各施設でやっているとお話しを聞いたんです。
委託を何年も待つのではなく、すぐにでも出来ることはないかと考えていた時でもあったので、サロン終了後、施設へ問い合わせてみたら…
「(対象の子が)いますよ!」ってトントン拍子に決まったんです!
これはお互いのタイミングが良かったみたいです。
実は何年も前に、そこの児童養護施設の夏祭りに1日だけボランティアに行ったことがあるんです。浴衣を着た施設のこどもさんと手をつないで一緒にお祭りを楽しんだことがあって、もしかしたら…あの時のあの子が、確かRちゃんだったと思うんです。もしそうだとしたら、なんとも不思議なご縁を感じます。
―例えば、同じ施設の子も一緒に家庭体験に来るとか、そういうことはあるんでしょうか
- 妻:
- このボランティアの主旨は、施設で暮らすお子さんに家庭生活を体験してもらうこと。
それはその子1人だけの特別な時間なので、他の子と一緒は絶対ないそうです。
仮に一時保護を受けたとしても、絶対にRちゃんとは会わない期間にするとか、徹底しています。
―最初にRちゃんに会った時のことを教えてください
- 妻:
- 初めて会ったRちゃんは、ばっちりメイクをしていました!(笑)
小4と聞いていたので、もっと幼い子を想像していたのですが、おしゃれで女子力の高い子で「メイク直さなきゃ」って(笑)「今の小学生ってこんな感じなんだ~」ってびっくり。
- 夫:
- 初日は顔合わせだけでそんなにコミュニケーションはとらなかったのに、帰る時に1人で見送りに来てくれて。玄関でお別れしたはずが、車の所まで来てくれて。恥ずかしそうに木に隠れてチラッチラッと(笑)見えなくなるまで手を振ってくれたのが嬉しかったですね。
―Rちゃんの一番好きな食べ物はなんですか
- 妻:
- 施設ではうちでの食事を「美味しい!」って言ってくれているみたいなんですけど、私には全然言ってくれないんですよ~(笑)
最初はお肉が嫌いって言っていたのに実は「ステーキが食べたい」って(笑)
Rちゃんの好みが最近やっとわかってきました。
でも一番好きなのは外食!今度『はま寿司』をリクエストされています。
施設ではなかなか自分だけの意見は通らないことがあるみたいなので、自分で決めた所にいけるというのが嬉しいんだと思います。
―交流しているとき気を配っていることは何でしょうか
- 妻:
- 初めの1年間はRちゃんの話を絶対に否定しないようにしていました。
信頼関係を築くために、危険なこと以外は注意しないで、そのまま受け入れるようにしてきました。
2年目はほんの少しだけ「~したほうがいいんじゃない?」ってアドバイス程度に。
中学生になった今は、社会に出たら役立つ知識、礼儀などを伝えていけたらと思います。最近は家のお手伝いをしてもらって、カーテンを洗いました。カーテンってなかなか洗うことってないと思ったので、カーテンを外すところから、洗って、またひとつひとつ付けたり…これも将来役に立つんじゃないかと。
- 夫:
- 限られた1日の中で、どう充実させてあげるかというのが難しいですね。最初の年は、なるべく外に連れて行ってあげようと思って、Rちゃんの喜ぶ所へたくさん行きました。遊園地とか、大抵の所は行きましたね。
でも、あるときフッと思ったんです。家庭を体験するために来ているんだから、もっと普通の家庭ならではの経験をしてもらったほうがいいのではないかと。
基本に戻って家庭で過ごす時間を多めにとって、たまに出かける時は、Rちゃんが行きたいと思う場所をリストアップしてもらって…というようにしました。
―交流は楽しそうですね!遊びに来て、帰りたくないって言わないですか?
- 妻:
- 最初、男性が苦手と聞いていたので、うちの主人は口数が少ないし大丈夫かな~と心配しました。ところが…2人でお買い物に行ったり、親戚宅へ行ったり、公園に行ったり…主人とすごく仲がいいんですよ。本当によかったです。
- 夫:
- だいぶうちの生活に慣れてきて、最初の頃はお客さんのようでしたが、今は自分の家と思ってくれているのか、くつろいでいるんですよ。帰る時間になっても、なかなか帰ろうとしない時もありました。
―Rちゃんとの出会いについて思うこと
- 夫:
- いいご縁をいただきました。毎回会うのを楽しみにしています。
- 妻:
- 次はどういうことをして楽しませてあげようかということや、Rちゃんの成長や将来について夫婦で話し合う時間が増えました。
―季節里親をしている間は、委託の紹介がないと聞いていますが
- 妻:
- Rちゃんとの交流がある間は、私達はRちゃんが優先と、話し合っています。
―Rちゃんとのこれから
- 妻:
- 難しい反抗期、思春期もやってくると思うので、その都度施設の方に相談しようと思っています。いろいろなことをRちゃんには経験してもらいたい。自立の時に役立つような、自己肯定感が上がる体験を積んでいってほしいといつも思っているので、今後も褒めながら過ごしていけたらと思います。中学生になったので、将来の自立を見越して、社会で役立つマナーや健康管理であるとか、ひとつでも教えてあげたいということを意識しています。これからは嫌われてもいいから、大切なことは伝えてあげたいと思っています。
- 夫:
- 中学生になって、クラブ活動や新しい友達が増えたり、活動範囲が広がって今までと環境が変わっていくと思うんです。選択肢がどんどん増えてやることも多くなって、そちらが楽しくなって、うちに来る機会が少なくなってくるのではないかと。寂しい気持ちもあるんですが、それは大人になっていく成長の過程。当然必要なことだと思っています。でもそれよりうちがいいって来てくれることは大歓迎ですが、一方でそれはRちゃんにとってどうなんだろうと思います。会う機会が少なくなることは、逆に彼女が成長しているということで、それはこちらも受け入れていかないと…と思っています。でも私達はRちゃんの家庭体験ボランティアをこれからも続けていきたいと思っています。
―これから里親を目指す方へ
- 夫:
- いろんなこどもとの関わりができます。
まずはやってみてください。里親になろうか悩んでいるのだったら、ぜひやってみてください。そうすれば少しずつ見えてくるものがあるし、考え方も変わってくると思います。
- 妻:
- 私は養育里親や養子縁組里親として、常にこどもがいる日常を望んでいました。
それには委託を待つ期間であったり、こちらの環境、紹介されるこどもの状況など、うまくタイミングが合わず、思うようにいかないこともあります。でも、こどもの関わり合い方がこのように違う角度からもできるということを実際にやってみて初めてわかったので必ずしも養育里親や養子縁組里親だけって決めないで、こういうことにもトライしていただくのもいいのではないでしょうか。季節里親も楽しいですよ。
―Rちゃんの施設の里親支援専門相談員さんからも、ひとこといただきました!
Rちゃんが過ごす休日のひとときは、季節里親さん(家庭体験ボランティアさん)との出会いによって、特別な時間となりました。
また、関わりの中で見せる表情や言葉からも、季節里親さんとの交流は、Rちゃんにとって大切な経験と、大切な存在になっていることを感じています。
温かなつながりの中で、Rちゃんをとても大切にしていただいていることに、心より感謝申し上げます。
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